「ああ…また…また駄目だった…」

どうしてうまくいかないの、と。
床に座り込み呆然と呟く彼女を冷めた目で見下ろしていた。

これで三回目だ。

次元を越え、フェイトを助けようとする彼女を見て来た。
おそらく彼女はそれ以上次元を越えているのだろう。

涙さえ出てこなくなったの瞳は、ひどく虚ろだった。

「…、一緒に行こう」
「……セルジュ…駄目、私は一緒には行けない…」

その答えももはや毎回の事で。

「…そう…」

いつか。
いつか彼女が「Yes」と答えてくれるんじゃないかと。

フェイトを助けられないと諦めて、僕を選んでくれるんじゃないかと、甘い期待をして。

一人で「運命」と戦う彼女を見捨ててきた。

彼女の望みを知っていた。
でもそれは僕の望みではなく、僕の醜い嫉妬を増幅させるだけで。

…何かしら、助ける方法はあるのだろう。
でなければ、キッドが時のたまごを渡したり等しない筈だ。

でも、彼女の望みは僕がこの手で消し去ってきた。
自らの手で、彼女の最愛の人を――

…ごめんね」

が好きだから、
ただその気持ちだけで。

「…セルジュは悪くないわ…。悪いのは、私…」

は決して僕を責めない。
その事がひどく罪悪感を募らせるけど――

「セルジュ」

そう穏やかに笑うキミの笑顔が、いつか僕のものになるんじゃないかなんて。

…そんな事、ある訳がないのに。
廻り続けるルーレット
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